あおのソラ

あおの気持ちをつづります

仰せつかった。

この間、ある職員さんが、「利用者さんに3着もズボンの裾上げをさせていました。

やらせていますよね?虐待と同じじゃないですか?」と私に聞いてきた。

その職員さんは、この事業所が介護職として勤務したのが初めての職場です。未経験だからこその視点も持っています。

裁縫だったり、たたみものだったり、掃除も含めて確かに、職員の方から声をかけて、やってもらっているという感じです。頼み方も人それぞれです。

こういう見方をする職員さんもいるってことを実はみんなで考えるきっかけにしたいと思い、介護リーダに、みんなできちんと話をしたほうが良いよって伝えました。

 

その職員さんがいうには、利用者さんは頼まれたことに対して「仰せつかった」と言っている。ということは本当は断れず、嫌なのではないか?

そしてまたある職員さんは、「仰せつかった」という言葉は、自分だけが仕事を頼まれることに対して、ほかの利用者さんの手前、気を遣って言っている言葉ではないか?

 

なるほど…と聞いていました。

こういった話が事業所で出来るようになっただけでも1歩前進です。

 

話の中で、[役割]という言葉が一番、飛び交っていました。

 

私、実は利用者さんから「私の役割」って言葉を聞いたことはないんですね。多くの介護職員さんが、役割って使うけれど、本来それは誰が持つ言葉なんだろう。いつもいつも職員さんが、言葉を取り上げて都合よく便利に使っていませんか?みんなはその言葉を何のために使っていて、それをちゃんと言語化できていますか?

本心や、本音を聞いて本人の思いを知っている職員はだれなのか・・その時、利用者さんの様子は、どんなだったのか・・今回、3着も。という声があがったけれど1枚ならよかったのか・・利用者さんが疲れていたとしたら、休憩しませんか?疲れていませんか?と本人に、声をかけてくれた職員はいたのだろうか・・。私はその場面を想像しながら、みんなの意見を黙って聞いていました。

 

「仰せつかった」なんて言葉は時代劇くらいでしか聞くことはないよね・・確かに、上司や高い地位の人からの命令や指示を受けたことを表す表現って意味になっていますね。

他利用者への手前、気を遣った言葉じゃないか?といった職員さんの言葉も、その方の真意を考えさせられます。考えることは大事なことです。一つ一つをちゃんと意味のあることとして支援することが成長へつながります・

だから、最初に私に話をしてきた職員が感じた違和感は大事です。1人で考えていては、少し偏った考え方にもなってしまうので、だからみんなで共有するってことが大事だと思います。介護職だからこそ一生懸命考えてほしいです。

 

まあ、食器洗いに関しては、流しに洗い物がたまっているとその方そわそわしている。自らが「洗おうか?」と言ってくれている。食器洗いは進んでやるけれど食器拭きは・・・どうだろうね。本人に聞くってことが大事ですよね。